トランプ氏、シカゴに州兵派遣 「世界の殺人首都」で犯罪対策
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【9月3日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領(共和党)は2日、民主党が主導権を握る中西部シカゴを銃犯罪がまん延する「この世の地獄」と呼び、州兵を派遣すると発表した。
トランプ氏は記者団に対し、「さあ行こうか」と述べ、同じく民主党が主導権を握る東部メリーランド州の最大都市ボルティモアにも州兵を派遣する考えを示唆した。
トランプ氏は、犯罪撲滅キャンペーンと不法移民取り締まりの対象を民主党が主導権を握る都市に限定しているとの批判を否定。
シカゴの犯罪統計を引用して、「私には義務がある」「これは政治的な問題ではない。この2週間半で20人が殺害され、75人が銃撃された今、私には義務がある」と述べた。
先月、民主党が主導権を握る首都ワシントンに州兵を派遣したトランプ氏は、シカゴにいつ州兵を派遣するかについては明言を避けた。シカゴ市長と同市が位置するイリノイ州のジェイ・プリツカー知事(民主党)は州兵派遣計画に強く反対している
トランプ氏は、「シカゴは今やこの世の地獄だ。ボルティモアも今やこの世の地獄だ」と述べた。
トランプ氏は先に自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に、「(首都ワシントンで)前にもやったようにシカゴの犯罪問題を迅速に解決する」と投稿。
「シカゴは、間違いなく世界最悪で、最も危険な都市だ」「(プリツカー知事は)助けを切実に必要としているが、そのことにまだ気づいていない」と付け加えた。
トランプ氏はその後、すべて大文字で「シカゴは世界の殺人首都だ!」と挑発した。
シカゴへの州兵派遣計画をめぐってトランプ氏と対立するプリツカー知事は、トランプ氏がシカゴ「侵略」を準備していると非難した。
プリツカー知事は2日の記者会見で、「シカゴは州兵を派遣されるのを望んでいない」「シカゴの犯罪は減少している。殺人事件は過去4年間でほぼ半減している」と主張。
「これ(州兵派遣)は犯罪対策でも、シカゴをより安全にするためでもない」「トランプ氏にとって、これは自身の権力を試し、腐敗を隠蔽(いんぺい)するための政治ドラマを演出するためのものだ」と続けた。(c)AFP