【7月31日 AFP】イスラエル人入植者数百人が30日、約1年10か月に及ぶ紛争で荒廃したパレスチナ自治区ガザ地区の領有権を主張するデモ行進を行った。

イスラエル国旗と共にかつてガザに存在したが2005年に解体された入植地群グシュカティフのオレンジ色の旗を振りながら、参加者たちはイスラエル南部の町スデロットから、ガザ北部ベイトハヌンの廃虚を見下ろすアサフシボニ展望台まで行進した。

イスラエル軍は1967年からガザを占領していたが、2005年に撤退。入植者約8000人が退避させられ、入植地21か所が撤去された。

だが、声高な少数派は帰還の夢を決して諦めなかった。そしてイスラム組織ハマスとの紛争と強硬派政権の台頭という状況の今、機は熟したと考える者もいる。

グシュカティフ出身のベテラン活動家に、イスラエル軍の邪魔さえ入らなければいつでもガザに移住する準備ができている新世代の入植希望者たちが合流している。

パレスチナ自治区ヨルダン川西岸の入植地「ケドゥミム」の元首長、ダニエラ・ワイス氏(79)は、「われわれはきょう、1000世帯から成る運動体としてデモ行進を行っている。私たちは現状のまま、今すぐにでも移住し、テントで暮らす準備ができている」と述べた。

さらに、「私たちは子どもたちと共に、今すぐガザ地区に移住する準備ができている。なぜなら、これが静寂と平和をもたらし、(イスラム組織)ハマスに終止符を打つ道だと信じているからだ」「私たちがガザの土を、砂粒をしっかり握りしめさえすれば、(イスラエル)軍は白旗を掲げるだろう」と付け加えた。

デモには極右団体も加わり、「ガザは永遠に私たちのもの!」とシュプレヒコールを上げながら境界に向かって行進した。拡声器からは「ハマスを倒す方法は、私たちの土地を取り戻すことだ」というメッセージが鳴り響いた。