トランプ氏の支持基盤MAGA派、イスラエル無条件支持に反発
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【7月30日 AFP】イスラエルへの無条件支持は長年、米共和党政治の必須条件となってきたが、ドナルド・トランプ米大統領の支持基盤である「米国を再び偉大に(MAGA)」派によって正統性が揺らいでいる。「特別な関係」をいくら唱えようと、聞く耳を持たないからだ。
パレスチナ自治区ガザ地区における飢餓と苦しみの映像は、米国の中東介入はトランプ氏の「米国第一主義」と一致するのかどうかという、MAGA派の中でくすぶっていた議論に弾みをつけた。
トランプ氏が初めてイスラエルと大きく対立したのは28日だった。ガザで「現実の飢餓」が起きていることを認め、イスラエルとイスラム組織ハマスとの紛争で壊滅的な被害を受けたガザに食料センターを設置すると表明した。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相がガザの飢餓危機を否定していることに同意するかと問われると、トランプ氏は「テレビを見る限り、あまり同意できない。ガザの子どもたちは本当に飢えているように見えるからだ」と答えた。
これは注目すべき回答で、米国の揺るぎないイスラエル支持も他の保守派の聖域と同様、MAGA派によって破られるのではないかとの臆測が専門家の間で飛び交った。
J・D・バンス副大統領はオハイオ州でのイベントでさらに踏み込み、「明らかに飢え死にしそうな幼い子どもたち」の「胸が張り裂けるような」映像について語り、イスラエルにさらなる人道支援物資の搬入を認めるよう求めた。
政治学者で元米外交官のマイケル・モンゴメリー氏は、このトーンの変化は感情的な側面もあるかもしれないとの見方を示した。飢えに苦しむ子どもたちの映像は、空爆を受けた街の惨状よりも人々の心に深く響くからだ。
モンゴメリー氏は「おそらく、飢餓を正当な戦争の手段と見なす文明人はいないからだろう」と語った。
イスラエルは常に米議会で超党派の幅広い支持を得てきたが、トランプ政権下での孤立主義的なMAGA派の台頭は、「特別な関係」のイデオロギー基盤に疑問を投げかけている。
MAGAの現実政策は外国の戦争への関与について、国益、特にトランプ氏の支持基盤を構成する「取り残された」労働者階級の利益に直接影響を与えるものに限定することを目指している。