【7月30日 AFP】インド南部の野生動物公園が絶滅危惧種のアジアゾウ4頭を日本へ空輸したことを受け、自然保護活動家や動物専門家は、長旅を伴う引っ越しがゾウたちの健康に影響を与える可能性があると警鐘を鳴らした。

雌3頭と雄1頭のゾウは先週、特製の「クレート」に入れられ、貨物機で約12時間かけて大阪の関西国際空港に到着した。

ゾウたちはベンガルール(旧バンガロール)のバナーガッタ生物公園(BBP)から兵庫県姫路市の姫路セントラルパークに移され、今後はそこで過ごすことになる。

日刊紙ニュー・インディアン・エクスプレスによると、バナーガッタ生物公園はゾウ4頭と引き換えに、チーター4頭、ジャガー4頭、ピューマ4頭、チンパンジー3頭、クロクモザル8頭を受け取るという。

野生生物学者で自然保護活動家のラビ・チェラム氏はこの動きを非難し、野生動物公園はその土地に固有の動物のみを飼育すべきだと主張。

「ゾウは日本原産ではなく、ベンガルールに持ち込まれると報じられているジャガーやチーターも(ベンガルールがあるインド南部)カルナタカ州原産ではない」「つまり、この国際的な動物交換の目的を明らかにすることが重要だ」と語った。

世界自然保護基金(WWF)によると、野生のアジアゾウの推定個体数は現在5万頭未満で、その大半はインドに生息している。

2022年には、ナレンドラ・モディ首相が支援するプロジェクトの一環として、ナミビアからチーター8頭、続いて南アフリカからチーター12頭がインドに移送された。

このプロジェクトは、70年前に狩猟によってインドでは絶滅したチーターを再導入することを目的としていた。