【7月23日 AFP】海面上昇により水没の危機にある南太平洋の島国ツバルで、人口の80%超がオーストラリアへの移住を可能にする「気候ビザ(査証)」への申請を行っていることが分かった。公式データが23日、発表された。

オーストラリア政府は、ツバルとの気候移住協定の一環として、年間280人のツバル国民にビザを提供している。政府はこの協定を「世界初の取り組み」と位置付けている。

「主要登録者の家族を含む8750人の申請があり、非常に高い関心が寄せられた」と、在ツバル豪高等弁務官事務所は声明で述べた。

2022年の国勢調査によれば、ツバルの人口は1万643人で、この数字は全体の82%に相当する。

同事務所は、発給枠が小さいことから、多くの申請者が対象外になることを指摘している。

ツバルは、地球上で気候変動の脅威に最もさらされている地域の一つ。科学者たちは、今後80年以内に居住不可能になる恐れがあると警告している。

同国を構成する九つの環礁(島)のうち、すでに二つは大部分が海面下に沈みつつある。(c)AFP