欧州と地中海沿岸地域の45%、長期にわたる干ばつ
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【7月9日 AFP】8日に公開された欧州干ばつ観測所(EDO)のデータをAFPが分析したところによると、欧州と地中海沿岸地域の45%が3月中旬以降、長期にわたる干ばつに見舞われている。
この地域のこれほど広い範囲が3か月以上連続して干ばつに見舞われたのは。2012年に観測を開始して以降初めてで、山火事のリスクが高まっている。
夏の初めに山火事が相次いだトルコでは3月中旬以降、土壌の平均72%が乾燥。同様にギリシャでは56%が乾燥している。
ギリシャの消防当局は5日、全国で高温と強風が続いているため、引き続き警戒を強めていると述べた。
欧州連合(EU)のコペルニクス気候変動サービスが算出する干ばつ観測指標は、衛星画像を用いて降水量、土壌水分量、植生状態の3つの指標を測定。結果は、注意、警戒、そして植生の発達異常を示す警報の3段階に分類される。
6月20日までのEDOのデータによると、この地域の干ばつは悪化している。6月に入って以降、土壌の7%が警報レベルに達しており、これは3月中旬の2倍に当たる。
最も懸念されるのは東欧諸国だ。ウクライナとベラルーシで、それぞれ国土の31%と25%が警戒レベルに達しており、この時期としては過去最高となる。
西欧では、英国が3月末以降、大規模な干ばつに見舞われ、国土の70%以上が乾燥している。
英気象庁によると、特にイングランドは「ここ100年以上で最も乾燥した春」となった。
さらに南に位置するスペインとポルトガルは6月11~20日、それぞれ国土の4%と1%未満が警戒レベルとなり、深刻な乾燥をほぼ免れた。
これは、この時期としては例年よりはるかに少ない。2012~2024年の平均ではこの時期、スペインの32%とポルトガルの27%が警戒レベルとなった。
両国はいずれも春の初めに大雨に見舞われ、スペインのバレンシア地方では洪水が発生して死者も出た。
フランス気象局は、「7月の異常なほど乾燥した植生」が「山火事の発生を助長する可能性がある」と警告。フランスでは先週末、今夏初の大規模な山火事が発生した。(c)AFP