【7月11日 AFP】カーエアコンが壊れたのだろうか? アフガニスタンのタクシー運転手たちは、自分と乗客をうだるような暑さから守るため、独創的な解決策を編み出した。

気温が40度をゆうに超える南部カンダハル市では、青いタクシーの屋根に冷風扇(気化式冷風機)が取り付けられ、ダクトホースを通じて助手席側の窓から冷気を送り込んでいる。

タクシー運転手のグル・モハマドさん(32)は、「3、4年前から猛烈に暑くなり始めた。カーエアコンが故障したが、修理費が高すぎたので、整備工場に行って特注の冷風システムを作ってもらった」と語った。

特注の冷風扇の取り付け費用は3000アフガニ(約6300円)だったという。この冷風扇はタクシーのバッテリーに接続しており、定期的に水を補充している他、屋根に設置された太陽光パネルにも接続している。

同僚のアブドゥル・バリさんは、「これはカーエアコンよりも効果的だ。カーエアコンだと前方しか冷えないが、冷風扇なら冷気が全体に行きわたる」と語った。

世界で最も貧しい国の一つであるアフガンは、気候変動の影響を最も受けやすい国の一つでもある。特に熱波の影響を受け、干ばつも深刻化している。

技術者のムルタザさん(21)はカンダハル中心部にある自分の店でAFPの取材に応じ、ここ2、3年でタクシー運転手からの冷風扇需要が高まっていると述べた。

「そもそも多くの車にカーエアコンが付いていなかったから、冷風扇を設置している」と続けた。

アフガニスタンの都市では、かつて近隣諸国で使われていた年式の古い寿命間近の中古車が多く走っている。

乗客のノルラさん(19)は冷気吹き出し口から数センチのところで顔を押さえながら、「冷風扇がないと、本当に大変だ」「運転手の人たちが問題解決に協力してくれている。素晴らしいことだ」と述べた。(c)AFP