■過酷な夏

「インドでエアコンが普及してきている主な要因は、気候条件、中流層の増加、消費者向けの好条件の融資、そして電力供給の整備だ」と、日本の空調メーカー・ダイキンでインド・アフリカ地域を統括するK・J・ジャワ氏は指摘する。

「今やエアコンはぜいたく品ではなく、生産性につながるもので、必要な投資と見なされている。良い睡眠は心身の健康に不可欠だ」とAFPに話した。

気象局によれば、24年はインドの観測史上(1901年以降)最も暑い年だった。

ニューデリーでは、熱波に見舞われた24年5月に、22年の記録に並ぶ49・2度を観測。舗装道路が溶けるほどの猛暑は何百万人もの命を脅かし、政府統計によると、2012~21年の熱中症による死者数は1万1000人近くに上る。

しかし、死亡診断書に熱中症と明記されるケースは少ないため、実際の死者数はこれを大きく上回る可能性があると専門家は指摘する。

皮肉なことに、エアコン内部の冷媒や、エアコンを稼働する石炭火力発電は、地球温暖化を悪化させる要因となる。また、エアコン普及により、室内の熱が排出されることで外気温の上昇にもつながり得る。

WHO(世界保健機関)や国連ハビタットの調査によれば、エアコンの排熱は都市部の気温を1度以上上昇させる可能性があるという。