【6月12日 AFP】イタリアでパーキンソン病を患っていた作家が、ほう助自殺した。トスカーナ州でほう助自殺を容認する法案が可決されて以降初の事例。活動団体が11日、発表した。

安楽死の権利擁護団体「ルカ・コシオーニ協会」によれば、1961年生まれのダニエレ・ピエローニ氏が自宅で亡くなったのは5月17日。2008年からパーキンソン病に苦しみ、1日21時間、経管栄養を受けていた。

中道左派が多数を占めるトスカーナ州議会は今年2月、20州の中で初めて、ほう助自殺を容認する法案を可決。申請手続きを簡略化し、迅速に進める独自の規則を定めた。

イタリア憲法裁は2019年9月、ほう助自殺を認める判断を下しており、対象とする患者については「救命治療によって生かされており、不治の病に苦しみ、耐え難い肉体的・精神的苦痛を抱えているが、自由かつ意識的に決定を下す完全な能力がある」ことを条件としている。

しかし、国会では、まだ関連法案は採択されていない。

ジョルジャ・メローニ首相率いる右派連合は安楽死に広く反対しており、トスカーナ州法に異議を唱え、裁判で争っている。

ルカ・コシオーニ協会によれば、2019年の憲法裁の判断以降、イタリア国内では8人が医療ほう助自殺を行っている。(c)AFP