フランス、支援船活動家を批判 「ガザの人々の苦しみ」を政治利用
このニュースをシェア
【6月12日 AFP】フランスのフランソワ・バイル首相は11日、支援物資を届けるため船でパレスチナ自治区ガザ地区に向かったフランス人活動家らについて、政治的注目を集めるためにイスラエルとパレスチナの紛争を利用していると非難した。
紛争で荒廃したガザの人道状況への関心を高めることを目指していた活動家らの中には、パレスチナ系フランス人で急進左派政党「不屈のフランス(LFI)」所属の欧州議会議員、リマ・ハッサン氏も含まれていた。
ガザ向けの食料や物資を運んでいた人道支援船「マドリーン」は9日、ガザ沖の公海上でイスラエル軍に拿捕(だほ)された。乗っていた12人のうち、フランス人活動家4人を含む8人は今もイスラエルで拘束されている、
ジャンノエル・バロ仏外相は11日、X(旧ツイッター)でフランス人活動家4人について、12日か13日にイスラエルから追放される予定だと述べた。
スウェーデンの活動家グレタ・トゥンベリさんとフランス人2人を含む残る4人は、イスラエルへの100年間の入国禁止措置を受けた後、直ちに国外追放されることに同意した。
LFIの議会会派トップ、マティルド・パノー氏は、バイル首相がイスラエルの行動を非難していないと糾弾した。
LFIのジャンリュック・メランション党首は、バイル首相が「フランス人被拘束者を見捨てた」と非難し、エマニュエル・マクロン大統領に介入を求めた。
これに対しバイル首相は国民議会(下院)で、「これらの活動家は望んだ効果を得たが、これは一種の道具化であり、われわれはそれに加担すべきではない」と反論。
「外交的行動と、複数の国々を結集してイスラエル政府に圧力をかける努力を通じてのみ、ガザ紛争の唯一の解決策を得ることができる」と付け加えた。
これに先立ちバロ外相も議会で、ガザにおける最優先事項は「即時停戦、イスラム組織ハマスに拘束されている人質全員の解放、そして民間人の苦しみを軽減するための即時かつ妨害のない大規模な人道支援へのアクセス」であるべきだと主張。
「リマ・ハッサン氏の誇張した身振り、そしてガザの人々の苦しみを道具として利用することは、これらの目標達成に全く役立たない」と付け加えた。(c)AFP