■「実現可能かつ有効な」領土交換計画

オルメルト氏はパレスチナ自治政府の元外相ナセル・キドワ氏と共に、イスラエルとパレスチナ間の数十年にわたる紛争を終結させ、安全なイスラエルと並存するパレスチナ国家の樹立を目指す計画を推進している。

これはイスラエルと将来のパレスチナ国家が互いの領土の4.4%を交換する計画で、イスラエルは現在の領土の一部と引き換えに、ユダヤ人入植者が居住するヨルダン川西岸の一部を受け取るとしている。

今月、フランスとサウジアラビアが米ニューヨークで共催するパレスチナ国家承認を目指す国際会議を前に、オルメルト氏はこうした計画は「実現可能かつ有効で、現実的だ」と述べた。

オルメルト氏は、同じ右派政党リクード出身のネタニヤフ氏とは長年の政治的ライバルだが、汚職スキャンダルで和平構築の努力と政治生命を断たれ、2016~17年に1年以上服役した。

ハマスの奇襲以降、イスラエル社会では領土交換どころかパレスチナ国家自体への支持が低迷しており、オルメルト氏はそれを説得する困難な戦いに挑んでいる。

「両側にリーダーシップが必要だ」とオルメルト氏は言う。「これは何かを失うことではなく、希望ある未来をもたらす道だという認識を、われわれは国際社会と自国社会の双方に広めようとしている」