ガザ住民の「100%が飢餓の危機」 国連
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【5月31日 AFP】国連は30日、パレスチナ自治区ガザ地区は「地球上で最も飢餓が深刻な場所」との考えを示し、現在「人口の100%が飢餓の危機」にさらされていると警告した。
国連の人道問題調整事務所(OCHA)のイェンス・レルケ報道官は、「ガザは、国または国内の特定地域で、住民全員が飢餓の危機にひんしていると定義される唯一の場所だ。人口の100%が飢餓の危機にさらされている」と述べ、イスラエル当局の主張を退けた。
イスラエルは、3月2日にガザ地区への支援物資の搬入を全面的に阻止し、ガザで深刻な食料・医薬品不足が起きる中、数日前に封鎖を部分的に緩和した。
レルケ報道官はジュネーブでの記者会見で、封鎖が一部解除されてから、人道支援物資を積んだトラック900台のガザ入りがイスラエルに許可されたが、これまでのところ、ガザ側で積み荷を降ろしたのは600台のみで、さまざまな安全上の理由から、積み荷の受け取りが実際に行われたのはさらに少ない数だったと指摘。
また、トラックがガザに入ると、「必死になった人々が殺到する」ことも多く、「本来、自分たちの物であるはずの援助物資を受け取ろうとする人々のことは一切責めはしないが、われわれが望む方法で配給が行われていない」と批判した。
イスラエルのジュネーブ国際機関政府代表部大使、ダニエル・メロン氏は、OCHAは「事実を都合よく選び出し、現実とは異なる状況を伝え、イスラエルを悪魔化している」と反論している。(c)AFP