【5月15日 CGTN Japanese】仏高級品大手LVMH傘下の高級ブランド、ディオール(Dior)がこのほど、中国市場で個人情報漏洩事件を起こしました。12日夜、多くの中国ユーザーがディオールからメールを受け取り、同ブランドが保有する一部の顧客の個人情報に権限のない外部の人間がアクセスしたことが明らかになりました。ディオールの公式カスタマーサービスは13日、顧客情報の一部が流出したことを確認しましたが、関連データベースには金融情報は保存されていないと主張しています。

 ディオール側によると、漏洩した顧客情報には、顧客の氏名、性別、携帯電話番号、電子メールアドレス、郵送アドレス、消費額、消費傾向のほか、顧客がディオールに提供した他の情報が含まれている可能性があるということです。ただし、不正アクセスされたデータベースには、銀行口座の詳細、国際銀行口座番号(IBAN)やクレジットカード情報などの財務情報は含まれていないと強調されています。

 ディオール側はまた、事件発生後直ちに内部調査を開始し、対応を支援するためにトップレベルのサイバーセキュリティー専門家チームを依頼していると明らかにしました。同時に、情報セキュリティー保護システムの強化に着手し、影響を受けた情報を継続的に監視しながら、当該事件の詳細を中国の監督管理機関に報告したとのことです。

 今回の個人情報漏洩事件により、データ保護に対するディオールの取り組みが疑問視されています。一部のユーザーは、漏洩した個人情報や消費金額、消費傾向などが犯罪者に利用され、消費能力の高い顧客を特定して標的型詐欺を行う可能性があるのではないかと懸念を示しています。

 ディオール側は今のところ、影響を受けたユーザーの具体的な人数や漏洩事件が発生した具体的な原因と詳細について明らかにしていません。(c)CGTN Japanese/AFPBB News