フィンランドの巨大地下シェルター、ロシアの脅威に備える欧州のモデルケースに
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■ソ連に侵攻された「苦い教訓」
ハイリネン氏は、「防衛シェルター建設に関する最初の法律が採択されたのは1939年の『冬戦争』が始まる2週間前だった」と説明し、当時のソ連によるフィンランド侵攻に言及した。侵攻は100日以上続いた。
「当時、民間人を守る備えが十分でなかったことが、国にとって苦い教訓となった」とハイリネン氏は続けた。
現在のフィンランドは、ほぼすべての市民を保護できるシェルターが用意されている。ヘルシンキには90万人分の避難スペースが確保されており、市民全員とさらに数千人が収容可能だ。
主に人口密集地域に設置されている、国内最大規模の複数の公営シェルターは、爆発、建物の倒壊、放射線、有毒物質にも耐えられるように設計されている。
また、床面積が1200平方メートルを超える建物や集合住宅は、法律でシェルターの設置が義務付けられている。
フィンランドでは、男性は18歳になると約半年から1年の兵役義務を負い、女性は志願して兵役に就くことができる。有事には直ちに約28万人を動員でき、予備役の総数は約90万人に上る。
フィンランド政府は4月1日、ロシアによる安全保障上の脅威に対処するため、2029年までに国防費を少なくとも国内総生産(GDP)の3%に引き上げる計画を発表した。(c)AFP