【4月16日 AFP】フィンランドの研究者グループが、2022年以降に急増している全地球測位衛星システム(GNSS)へのロシアによるものとみられる妨害に対抗する装置の開発に着手した。プロジェクトリーダーが15日、AFPに語った。

フィンランドでは、GPSや欧州版GPS「ガリレオ」といったGNSSサービスへの妨害が疑われる事例が急増しており、航空や海上交通に支障が出ている。国土調査局のミカ・サーヤスト上級研究員は、同国東部では「複数の航空機」が着陸できなくなる事態が発生したとしている。

妨害はロシア発とみられており、軍や国境警備隊、林業部門で使用される衛星画像にも影響が及んでいる。

サーヤスト氏は、こうした安全保障、経済両面へのリスクに対処するため、研究者グループが今月、衛星からの信号を意図的に妨害する行為を特定・抑制する装置の開発を開始したと述べた。

開発プロジェクトには欧州連合(EU)が資金を提供。特にGNSSデータへの干渉が頻発している東部の北カレリア地方で、2年間にわたって実施される。

運輸通信庁によると、フィンランドでは昨年、GNSSへの干渉報告件数が約2000件に上った。2023年は239件だった。

フィンランドは1340キロにわたってロシアと国境を接しており、同国が2022年にウクライナへの侵攻を開始して以降、国防・国境警備を強化している。(c)AFP