【5月6日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領が発表したアルカトラズ刑務所の復活計画をめぐりSNSユーザーの間では5日、直前にテレビで放映された映画の影響を受けたのではとの見方が拡散した。

トランプ氏は4日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で突然、サンフランシスコ湾のアルカトラズ島にかつてあった悪名高い刑務所を復活させるよう指示したことを明らかにした。

軍事要塞(ようさい)を転用したアルカトラズ刑務所をめぐっては、1962年に3人の囚人が脱獄した事件が人々の記憶に残る逸話となり、クリント・イーストウッド主演の映画『アルカトラズからの脱出』でも描かれた。

米国のSNSユーザーらは、計画発表前日の3日夜、トランプ氏が滞在していた邸宅「マーアーラゴ」があるフロリダ州南部で、この映画がテレビで放送されていたことに素早く反応した。

あるユーザーは「もしかして、トランプは映画を見て影響されたのでは? それで、アルカトラズ再建なんていう天才的な発想になったのか?」「米国の政策って、テレビ番組から生まれるのか?」と投稿した。

別のユーザーは「面白すぎる」と投稿。「土曜の夜、一人の高齢者が退屈しのぎにチャンネルを回していただけで、最厳重警備刑務所として使われる当てもないアルカトラズの修復に、5億ドル(約720億円)を費やすことになる」と嘆いた。

当のトランプ氏は5日、ホワイトハウスで記者団に対し「私は映画製作者になるべきだったかもしれない」と、映画の影響を認めるような発言をした。

さらに「アルカトラズは法と秩序の象徴として非常に強い力を持っている」と述べ、「誰も脱獄に成功したことはない。1人だけほぼ成功しかけたが、服はボロボロで、サメにかまれた跡があった」と続けた。

ただし、脱獄者がサメに襲われたという証拠はなく、あくまで語り継がれる逸話にすぎない。

米連邦刑務所局(BOP)も公式サイトで、これまでに36人が脱獄を試みたが、ほとんどが途中で拘束されるか死亡したと記録している。ただし5人については「行方不明で溺死したと推定される」としている。(c)AFP