トランプ氏2期目で人権侵害加速 アムネスティ
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【4月29日 AFP】国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは29日に発表した年次報告書で、ドナルド・トランプ米大統領の再任以降、法と人権を重視する国際体制が「多様な攻撃」によって脅かされていると指摘した。
アムネスティのアニェス・カラマール事務総長は、「前例のない力が、すべての人のための人権という理念を追い詰め、第2次世界大戦とホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)による流血と悲嘆の中から築かれた国際体制を破壊しようとしている」と警告した。
2024年は中東、スーダン、ウクライナ、アフガニスタンでの紛争や人権侵害の結果、数百万人の生活が「壊滅的な打撃」を受けた。特にアフガンでは女性の自由が依然、制限されている。
年報はまた、米国、ロシア、中国などの大国が、国際法の成果や貧困・差別との闘いを「損なっている」と名指しで批判した。
アムネスティによれば、そうした「無謀で苛烈(かれつ)な攻撃」はここ数年間の傾向だったが、トランプ氏がそれを「超加速」させる要因となっている。
トランプ政権は米国の国際援助を凍結し、複数の国連(UN)機関への資金拠出を削減した。
カラマール氏は、トランプ政権2期目の始動は「人権面での責任や国際法、国連に対する多重的な攻撃」で特徴づけられたとし、「一致団結した抵抗」を呼びかけた。
年報は、「一部の事例では国際司法機関が責任追及に向けた重要な一歩を踏み出したが、複数の強力な国の政府が、残虐行為を終わらせようとする実効性ある行動を繰り返し阻止している」と断じた。(c)AFP/Marie HEUCLIN