【4月24日 東方新報】第5回中国国際消費品博覧会(以下「消博会」)の三亜国際ヨット展示エリアの開幕式が、4月15日に三亜国際ヨットセンターで開催された。今回、消博会が海南省(Hainan)三亜市(Sanya)に分会場を設けるのは初めてであり、20以上の国と地域から62社、約150隻のヨットが出展した。

 今回の三亜国際ヨット展示エリアのテーマは「千艇の都市、未来への出航」。会場の総面積は約16.68万平方メートルで、その約90パーセントが水上展示エリアとなっている。現地では、ヨットの静態展示エリア、ヨット文化エリア、ヨットライフスタイルエリア、ヨット×ウェディング展示エリアなどが設けられ、水上装備やファッションライフスタイルの動的展示に重点を置いている。「ヨット×ウェディング撮影」「ヨット×ディープダイビング」などの体験型シーンを通じて、多様なヨット消費の楽しみ方を提案している。

 今年の消博会の主賓国であるイギリスは、海洋文化をテーマにしたヨット館を出展。英国の航海伝統や造船技術、現代的なライフスタイルを融合させた展示を行い、英国製のヨットや模型、航海テクノロジーの革新成果を紹介している。また、世界的なヨットレースである「ジ・オーシャンレース(The Ocean Race)」や「クリッパー世界一周レース」の体験エリアも設けられ、来場者は英国の海洋文化を没入型で体感できるようになっている。

 中国商務部市場運営・消費促進司の李剛(Li Gang)司長は、近年中国のヨット市場が良好な成長を続けており、消費シーンも多様化していると述べた。今後、条件を満たす地域に対して、資源特性に応じたヨット消費促進政策の導入を支援し、ヨット用の公共桟橋や補給ステーションなどのインフラ整備を推進する考えを示した。また、企業によるサービスモデルの革新、「ヨット+」型の商品開発と消費シーンの拡大を通じて、ヨット市場全体の活性化を後押しするとも語った。

 現在、三亜では登録ヨット数が1400隻を超え、「千艇の都市」としての地位を確立している。海南省党委員会常務委員で三亜市委員会書記の王祺揚(Wang Qiyang)氏は、三亜が今後もヨット産業改革・発展の試験区としての役割を深め、「ヨット+観光」「ヨット+展示会」「ヨット+クリエイティブ文化」などとの融合による新たな発展モデルを推進していくと述べた。研究・設計・製造・展示・販売・メンテナンス・消費といったヨット産業の全過程をカバーする産業チェーンの構築を目指し、「千艇の都市」としてのレベルをさらに高め、三亜の「アジア太平洋ヨットの都」という都市ブランドを強化していくとしている。

 イベント会場では、「ヨット産業三亜イニシアティブ」も発表され、世界中のヨット企業、業界団体、研究機関、政府関係者に向けて、三亜を拠点とした開放的・革新的・持続可能なヨット産業エコシステムの共創を呼びかけた。この取り組みは、世界の海洋経済に新たな活力を注ぎ込むことを目指している。(c)東方新報/AFPBB News