【4月28日 AFP】ロシアは28日、ウクライナとの交渉に応じる用意があるとしながらも、紛争解決に向けてはクリミア半島を含むウクライナの五つの地域に対するロシアの領有権主張の承認が「不可欠」であると強調した。

ロシアは2022年2月のウクライナ侵攻以降、ウクライナの4地域の大部分を占領し、2014年に一方的に併合したクリミアと合わせて領有権を主張している。一方、ウクライナはこれらの併合を違法な領土奪取と非難し、決して認めないと表明している。

欧州の当局者らは、ロシアの要求を受け入れれば将来の侵略につながる危険な前例を作ることになると警告している。

ロシア大統領府(クレムリン)のドミトリー・ペスコフ報道官は28日、国営メディアに対し、「(ウラジーミル・プーチン)大統領が確認しているように、ロシア側はウクライナとの交渉を無条件で開始する用意があることを繰り返し表明してきた」と語った。

しかし、セルゲイ・ラブロフ外相はウクライナとの交渉開始に関して前提条件があるかとの質問に対し、「クリミア、セバストポリ、ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国、ヘルソン、そしてザポリージャに対するロシアの領有権の国際的な承認が不可欠だ」と述べた。

ロシア外務省は、ラブロフ氏がブラジルの新聞「オ・グロボ」とのインタビューで行ったこの発言を公開した。

ドナルド・トランプ米大統領は、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が停戦合意の一環としてクリミアを譲歩する用意があると信じていると述べており、停戦に向けた交渉は米政府が「重要」と位置づける1週間に突入している。(c)AFP