トランプ政権の反移民CM、TV局に放送中止要請 メキシコ大統領
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【4月22日 AFP】メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は21日、トランプ米政権が流している不法移民への警告CMについて、暴力を助長する恐れがあるとして、国内のテレビ各局に放送の中止を要請したと発表した。
問題となっているCMは、米国土安全保障省のクリスティ・ノーム長官が2月に開始した、数百万ドル規模の反移民国際キャンペーンの一環。テレビ、ラジオ、インターネットを通じて、複数の国で展開されている。
CMの中でノーム長官は、「米国への不法入国を考えているなら、やめるように」と呼びかけ、「米国は犯罪者を歓迎しない。違法行為に及べば、われわれはあなたを追い詰める」と警告している。
このCMは、メキシコのプロサッカー1部リーグの試合をはじめとするプライムタイムの番組枠でも放映されている。
シェインバウム大統領は記者会見で、テレビ局宛てに送付した書簡の内容を読み上げ、CMが「人間の尊厳を侵害する差別的なメッセージを含んでいる」と批判。さらに、越境を目指して移動している人々に対して「暴力を扇動しかねない」とも指摘した。
同氏はまた、外国政府によるメキシコ国内のテレビ放送枠購入を禁じる法案を議会に提出する意向も明らかにした。(c)AFP