ツールから「賢い相棒」へ:高徳AIナビが移動体験を一新
このニュースをシェア

【4月18日 東方新報】地図ナビゲーションとAIが深く融合することで、移動の効率と体験をめぐる革新が静かに進んでいる。
18日、中国の阿里巴巴集団(アリババグループ、Alibaba Group)傘下の地図情報サービス「高徳地図(Autonavi)」は世界初となる地図に基づくAIナビゲーションエージェント「NaviAgent」を正式に発表した。革新的な技術理念と構造を用いることで、従来のナビゲーションという「道具」から、「思考し、予測し、温かみを持つ」スマートな移動パートナーへと進化を遂げる。
高徳の技術責任者は「ナビゲーションエージェントの開発は、ナビゲーション製品の基盤ロジックを再構築する重要な試みであり、AI時代における業界変革の新たなヒントとなる」と語る。
このナビゲーションエージェントは、「思考・予測・行動」という一連のインテリジェントな流れにより、従来の出発点から大きく進化している。
「従来のナビは台本通りに動く役者のようだった。ルートが決まれば、その通りに実行するだけ。しかしこのナビは、ベテランドライバーのように周囲を察知し、リスクを予測し、柔軟に対応する」と技術責任者は説明する。
その中核には「プランナー・エグゼキューター」モデルを採用し、「感知・計画・実行・表現」の4モジュールで知能循環を構築。高徳の複数のコア技術を組み合わせ、交通の時間的・空間的変化を捉える「TrafficVLM」モデルや、感情豊かな音声体験を提供する「AmapVoice」技術などが統合されている。
この進化の本質は、ナビゲーションを「道具」から「相棒」へと捉え直すことだ。AI化されたナビは、受け身ではなく、自ら判断し行動するパートナーである。
例えば、交差点ごとの最適通過速度を事前に計算して渋滞を回避したり、残業帰りのユーザーにはリラックスできる音楽を再生したり、目的地近くの駐車場を提案したりすることができる。
TrafficVLMによる高度な交通予測により、従来の「限定された感知」から「全体思考」への転換が可能になった。この技術では、異なる時間・空間スケールの交通データを画像フレーム化し、AIがその状態を解析・予測する。これによりナビゲーションが物理的視界を超える「超視距感知」を獲得する。
たとえば高速道路では、車線ごとの交通の流れや事故情報などを総合判断し、AIが自動的に最適な走行レーンを提案する。
「前方に対向車がいます、追い越しを控えてください」といった車線レベルの安全警告もリアルタイムで発せられる。
夜間や霧、急カーブ、急ブレーキなどのシーンでも、リスクを事前に予測し、音声や画面を通じて注意喚起を行う。
駐車場では、目的地5キロ手前で空きスペースの分析が始まり、徒歩ナビとのシームレスな連携も可能だ。
全国の信号情報を組み合わせたAI信号ナビも、高精度な車速・レーン選択・発進タイミングの指示を提供し、「青信号でスムーズに走る」体験を現実に近づけている。
AIナビゲーションエージェントは、感情認識・意図理解・感情表現を備えた三次元インタラクション機能を搭載し、人と機械のやりとりに新しい次元を加えている。具体的なキャラクター「小高先生」は、高徳の音声技術「AmapVoice」により、数十万時間の音声学習を経て、無機質なガイドから感情を持ったパートナーへと進化した。
たとえば、週末のドライブの際には、「お久しぶり~」といった挨拶から始まり、風景や文化の紹介、ユニークな小ネタまで交えながら、旅の雰囲気を盛り上げる。
また、良い運転をした際には「ナイスです!」などの称賛を通じて、運転習慣の改善にもつながる仕掛けがある。
高徳の技術責任者は「AIナビゲーションエージェントはすでに全国のユーザーへ順次提供を開始しており、これは『効率重視』から『心地よい体験』への転換を意味する。今後もAI能力が進化すれば、移動の目的は単に到着することではなく、『心から楽しめる旅』になる」と語っている。(c)東方新報/AFPBB News