太陽光発電が農家の増収促進 中国山東省
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【4月17日 Xinhua News】中国山東省北部の渤海湾に面する日照豊かな浜州市沾化区で、太陽光発電が地元の農村にさまざまな形で普及し、大気汚染物質の排出を減らすとともに、農家の増収に大きく貢献している。
沾化区はここ数年、農村部の遊休地を利用した太陽光発電プロジェクトの建設を積極的に推進し、土地の賃料と発電収益を村民に分配している。例えば利国郷では400ムー(約27ヘクタール)余りの太陽光発電プロジェクトで年間約3100万キロワット時を発電し、同郷に28ある村の集団年収はいずれも25万元(1元=約19円)を上回った。
太陽光発電は農家のエネルギーコストを引き下げている。下窪鎮では一部農地の灌漑(かんがい)設備に太陽光発電によるグリーン(環境配慮型)電力が使われるようになった。村民の尹登林(いん・とうりん)さんは「灌漑コストが1、2割下がった」と話す。
太陽光発電所と漁業や畜産業との連携も進む。 浜海鎮では、エビの海水養殖場の上部に太陽光パネルを設置した。「太陽光パネルが日光を遮って水温を下げることで、魚やエビの疾病発生率が下がる」。養殖場責任者の薛至広(せつ・しこう)さんは語る。養殖池1ムー当たりの収益は発電収入を加えて1万5千元に上り、従来の養殖モデルの3倍近くになるという。
利国郷では、太陽光パネルの下で羊の群れが元気に育っている。「発電は羊の飼育の邪魔にならず、2通りの収入が得られる」と飼育農家の劉愛国(りゅう・あいこく)さん。昨年は羊を300頭以上育て、太陽光発電の配当で年間5万元の収入増となったと語る。
沾化区では現在、60余りの村が太陽光発電プロジェクトを建設しており、総設備容量は9万4590キロワット、年間発電量は約1億3300万キロワット時に上る。標準炭換算で年間約4万3600トンの石炭消費を節約し、二酸化炭素(CO2)13万2600トン、二酸化硫黄(SO2)4千トン、窒素酸化物(NOx)2千トンの排出を削減した計算となる。(c)Xinhua News/AFPBB News