【4月16日 AFP】サッカーアルゼンチン代表の伝説的選手ディエゴ・マラドーナ氏の死をめぐり、担当していた医療スタッフ7人が殺人の罪に問われている裁判で15日、マラドーナ氏の娘の一人が、医師たちが職務を果たしていれば「死は避けられた」と訴えた。

マラドーナ氏は60歳だった2020年11月25日、脳血腫の除去手術からの回復中に自宅で死去。手術から2週間後のことで、死因は心不全と肺に水がたまる急性肺水腫だと判明した。

マラドーナ氏を担当していた7人の医療チームは、有罪の場合は最大禁錮25年を科される可能性がある。

この日、原告である娘のダルマさんは、法廷で「彼らが仕事をしていれば、避けられたはず」「最も残酷な形で私たちを欺いた」と7人を批判した。

さらにダルマさんは、被告の一人であるレオポルド・ルケ医師が、在宅治療が「唯一の選択肢」で、24時間ケアし、救急車を待機させるなど万全の体制を整えると請け合っていたにもかかわらず、それらが「まったく行われず」「医師は時おり様子を見に来るだけだった」と主張。父の死後、家は「不潔で、尿の臭いがした」と明かした。

7被告は、患者の死につながる可能性があると知りながら対策を取らなかったとされ、「未必の故意による殺人罪」で起訴されている。検察は、マラドーナ氏が「長期にわたる苦痛」を味わった末に命を落としたと主張している。

裁判は約120人が証言し、7月まで続く予定となっている。(c)AFP