2024年の欧州の水害、過去10年超で最悪規模に
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【4月15日 AFP】欧州連合(EU)の気候監視機関「コペルニクス気候変動サービス(C3S)」は15日、2024年に欧州各地で発生した洪水が過去10年以上の期間で最悪の規模となり、域内の河川の約3分の1が氾濫寸前まで増水したと報告した。
人為的な気候変動による地球温暖化が進む中で、洪水が欧州にとって深刻な脅威であることが改めて浮き彫りになった。
観測史上最も暑かった2024年、欧州は広範囲で水害の影響を受け、特にスペインのバレンシア州や中欧・東欧で被害が深刻だった。
9月には暴風雨「ボリス」が中欧・東欧8か国に豪雨と大規模な洪水をもたらし、わずか5日間で平年3か月分の降水量が記録された。
さらに1か月後、地中海からの暖かく湿った空気によって発生した嵐がスペインに豪雨をもたらし、東部のバレンシア州では壊滅的な洪水被害が発生した。
C3Sを運営する欧州中期気象予報センター(ECMWF)のサマンサ・バージェス氏は記者会見で、「欧州は2013年以来、最も広範囲にわたる洪水を経験した」と述べた。
嵐と洪水による死者は欧州全体で300人以上、被災者は約41万3000人に上り、経済的損害は少なくとも180億ユーロ(約2兆9000億円)に達した。
C3Sと世界気象機関(WMO)の共同報告によると、2024年は欧州で1950年以降、最も雨の多かった10年の一つに数えられ、河川の約30%が氾濫したという。(c)AFP