トランプ氏、石炭採掘「加速」へ大統領令署名
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【4月9日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は8日、「石炭採掘を加速させる」ための大統領令に署名した。莫大(ばくだい)な電力を消費する人工知能(AI)技術に対応するため、発電量を「2倍以上に増やす」ことを目指す。
大統領令は、石炭採掘に対する規制を撤廃し、石炭火力発電所の閉鎖計画を一時停止することをうたっている。トランプ氏はこの日、ホワイトハウスで炭鉱作業員らに囲まれて署名に臨んだ。
トランプ氏は「石炭に対する政府の偏見を終わらせる」と述べ、「石炭産業従事者の仕事を奪っている」州・地方自治体の規制を特定し、対処するよう司法省に指示。また、「石炭採掘の過程でハイテク産業に必要な重要鉱物やレアアースを大量に抽出することが可能になる」と語った。
環境NGO、エバーグリーン・アクションのディレクター、リーナ・モフィット事務局長は大統領令署名を受け、「最も汚く、最も高価な電源である化石燃料業界の献金者を救済するための隠れみの」としてAIを使っていると批判した。
米国では、過去15年間で石炭生産は大幅に減少。2023年時点の総発電量に占める石炭発電の割合は16%にとどまった。これに対し、再生可能エネルギー発電は21%強だった。(c)AFP