【4月3日 AFP】スロバキア政府は2日、人間に危険をもたらすとして350頭のクマの射殺を承認した。この動きに対して保護活動家は違法だと非難している。

この決定は、スロバキア中部で3月30日にクマに殺されたとみられる男性の遺体が発見されるなど、複数のクマによる人への攻撃を受けてのもの。

「人々が森に行くのを恐れるような国では暮らせない」とロベルト・フィツォ首相は記者団に語った。

スロバキア議会は2024年5月にクマの駆除規則を緩和し、複数の地区で禁止措置の例外を認めている。

しかし、財産を損壊したり人を攻撃したりする問題のあるクマのみ、他の解決策がない場合に限り駆除できるとする欧州連合(EU)の指令には従わなければならない。

トマス・タラバ環境相は2日、スロバキアには1300頭以上のクマが生息しており、800頭が「十分な数」であるとし、クマの個体数が増え続けていると語った。

しかし、環境保護団体は、2日の決定が国際的な義務に違反しており、環境省が意図的に法律を破ったと批判。

「効果のない解決策の代わりに、予防を強化する必要がある。教育、ごみ撤去の実施、餌付けの規制、自然の中での安全な移動についての情報提供などだ」とエイビス財団はフェイスブックに投稿した。(c)AFP