【4月1日 AFP】富裕国スイスの連邦統計局(BFS)は3月31日、2023年に生活水準が貧困線以下だった国民は8%で、「経済的に困窮」していた割合は全体の10.1%、約10人に1人に上ったと発表した。

貧困線は、食料、衣類、衛生用品、交通費、家賃、公共料金などの生活必需品やサービスを支払うのに十分とされる最低収入水準。

BFSによれば、貧困状態にあったのは主に独身者、未成年の子どもを持つ一人親世帯、低技能者、有給雇用者が一人もいない世帯、外国人。

生活に必須の支払いを少なくとも2種類滞納した世帯数は、2022年の4.8%から2023年には6.3%に増加し、新型コロナウイルス流行前の2019年の7.0%に近づいている。

「最も」滞納が多かったのは税金や健康保険だった。

2023年のスイスの貧困線は月収2315スイス・フラン(約39万円)で、それを下回っていたのは約70万8000人。大人2人と子ども2人世帯の場合、4051スイス・フラン(約69万円)。

スイスの物価は極めて高いため、公式の貧困線は大半の欧州諸国よりかなり高い。

国民の一部が「経済的に困窮」しているにもかかわらず、平均可処分所得はオーストリア、ルクセンブルク、ノルウェーを除いた欧州諸国より依然として高い。(c)AFP