調理済み食品は堂々と明示してこそ、信頼を得られる
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【3月17日 東方新報】最近、「飲食店は『預制菜(調理済み食品)』を明示すべきだ」という発言が注目を集めている。これは、全国人民代表大会(全人代)代表であり、安徽省(Anhui)農業科学院副院長の趙皖平(Zhao Wanping)氏が提案したものだ。さらに、全国政治協商会議(政協)委員で、中国農業科学院野菜花卉研究所の研究員である李宝聚(Li Baoju)氏も、「飲食店はメニューにおいて、調理済み食品と店内で調理した料理をはっきり区別して表示するべきだ」と指摘している。そして、食品衛生の監督機関に対しては、こうした表示管理を通常の監督体制に組み込むべきだと提案している。これは消費者の知る権利を守るためだ。
近年、預制菜は新しい食品スタイルとして飲食業界で急速に広まっている。その利便性や効率の良さは、忙しい現代人のライフスタイルにぴったり合っている。しかし一方で、その安全性や鮮度、味については懸念を持つ消費者も少なくない。
実際には、預制菜自体が問題なのではない。それはむしろ食品産業の発展の一つの形であり、国の基準を満たしていれば、安全性や衛生面にも問題はない。例えば、インスタントラーメンも広義には預制菜にあたるが、すでに多くの人びとに受け入れられている。このことからも、消費者は預制菜そのものを拒絶しているのではなく、自分が何を食べているのかをきちんと知りたいと思っているだけである。
外食でレストランを利用する際、多くの人が求めているのは「鍋から立ち上る湯気」のような調理の臨場感であり、できたての料理の鮮度と風味である。これは自然なことだが、だからといって預制菜に需要がないわけではない。むしろ、特定のシーンでは預制菜のほうが圧倒的に便利で効果的だ。たとえば、デリバリー業界では、預制菜の高い効率性と安定した品質が、迅速で便利な食事の提供に役立っている。
消費者も、預制菜の便利さは理解している。ただ、自分が口にしている料理が預制菜なのかどうかを知りたいとも思っている。それによって、自分に合った選択をしたいのだ。健康を気にする人もいれば、味にこだわる人もいる。いずれにせよ、知る権利はきちんと保障されるべきである。レストランが預制菜を明示することは、そうしたニーズに応えるための一つの方法であり、飲食業界がサービスレベルを向上させるきっかけにもなる。
さらに、こうした取り組みは、消費者の預制菜に対する理解や受け入れを促し、誤解や偏見の解消にもつながる。現在、預制菜業界には、業界基準の不統一や監督体制の不十分といった問題が依然として存在している。これが消費者の不信感につながり、業界の成長を妨げている。レストランが預制菜であることを明示するようになれば、企業はより自律的にならざるを得なくなり、監督機関も責任を果たしやすくなる。結果として、より良い発展環境が整い、預制菜市場も健全に成長していけるだろう。
預制菜を明示することは、消費者の知る権利を尊重する行為であり、同時にこの業界が透明性と規範性を持って発展するための重要な一歩でもある。堂々と「自分は預制菜です」と名乗ることでこそ、消費者の信頼を得ることができ、この産業も持続的に発展していける。(c)東方新報/AFPBB News