ラドゥカヌ 「涙でボール見えなかった」 ストーカーの恐怖明かす
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【3月5日 AFP】女子テニスのエマ・ラドゥカヌ(英国)が4日、2月のドバイ・テニス選手権で客席の男から「執着的な行為」の標的にされたことについて、「涙でボールが見えなかった」と明かした。
元全米オープン覇者のラドゥカヌは2月18日に行われたカロリーナ・ムホバ(チェコ)戦で、男がコート脇の席に現れた後、取り乱した様子を見せていた。警備員に連れ出された男は、後に「執着的な行為」に及んだとして接近禁止命令を受け、女子ツアー大会への出入りも禁止された。
今週開幕のBNPパリバ・オープンで、そのとき以来の公式戦に臨むラドゥカヌは、「中年の変質者のせいで、好きなことをあきらめるわけにはいかないと思っている部分もある」と語り、「今ここにいるのは、だいぶ気持ちが落ち着いたから。ドバイでいろいろなことがあったので、少し時間が必要だった」と言った。
ドバイでは審判席の後ろに隠れるような様子も見せていたラドゥカヌは、「すごく動揺した」と振り返り、「最初のゲームであの男の姿が見えて、どうしようと思った」と恐怖を語った。
さらに「涙でボールが見えなくて、ほとんど息ができなかった」「(最初の4ゲームは)心ここにあらずだった」「試合後は完全に泣き崩れた」とも明かした。
BNPパリバ・オープンの主催者は、ラドゥカヌが会場にいる間は警備員を配置して保護すると発表している。
2022年にも家族で住んでいる家でストーカーに狙われたラドゥカヌは、「警備は非常に重要だ」としつつ、「選手の泊まっているホテルがどこかは公開されているから、必ずしもすごく助かるわけではなく、誰でも入ってこられる」と話した。
「それは明らかに弱い部分だけど、最善を尽くしている。今は以前よりもさらに、すごく警戒して気を張っている。一人で出かけることはほとんどない」(c)AFP