EUは米国を「だますため」に設立された トランプ氏
このニュースをシェア
【2月27日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は26日、欧州連合(EU)は米国を「だます」ために設立されたとの認識を示し、新たな関税の詳細を説明する中で、長年の米国のパートナーであるEUに対する敵意をあらわにした。
トランプ氏が2期目に就任してから1か月あまりが経過する中、米国はウクライナ支援で突然方針転換する一方で、次期ドイツ首相の最有力候補は欧州諸国に自国の防衛管理を強化するよう促すなど、米国とEUの摩擦が激化している。
トランプ氏は第2次政権初の閣議での記者会見で、「正直に言うと、EUは米国をだますために設立された」「それがEUの目的であり、これまではうまくやってきた。だが、今は私が大統領だ」と述べた。
これに対しEUの執行機関である欧州委員会は、EUは「世界最大の自由市場」であり、「米国に恩恵をもたらしてきた」と反論した。
スウェーデンのカール・ビルト元首相はX(旧ツイッター)で、EUは「実際には欧州大陸での戦争を防ぐために設立された」と指摘し、トランプ氏の歴史認識は「ひどくゆがんでいる」と批判した。
米国は数十年にわたって欧州統合を支援。1993年のEU発足を2度の世界大戦で荒廃した大陸での紛争を終わらせた歴史的偉業と見なしてきた。
だが、トランプ氏は、英国がEUを離脱した時には同国を称賛し、パートナーシップという抽象的な概念よりも自国の利益を追求する「米国第一主義」を取ると表明している。
トランプ氏は閣議で、EUが「本当に米国を都合よく利用してきた」と主張した。
公式統計によれば、2024年の米国の対EU貿易赤字は2356億ドル(約35兆円)に上った。
EUからの輸入品に課す関税率を決定したかと問われると、トランプ氏は「25%だ。すぐに発表する」と答え、関税を課す品には自動車も含まれると補足した。輸出主導型の経済が低迷しているドイツには厳しいニュースとなる。
これに対し欧州委員会は、新たな関税に「直ちに断固とした」対応を取ると表明した。(c)AFP