【6月3日 AFP】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は2日に放送されたインタビューで、自らへの逮捕状を請求した国際刑事裁判所(ICC)への対抗措置として、ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領がICCへの制裁に向け行動しないことに「失望している」と語った。

 ネタニヤフ氏は先週収録されたラジオインタビューで「米国は超党派で(ICCへの)制裁を支持すると言っていた。つい数日前まで合意があったのだから、正直言って驚き、失望している」と述べた。

 ICCのカリム・カーン(Karim Khan)主任検察官は先月、パレスチナ紛争をめぐる戦争犯罪などの疑いでイスラム組織ハマス(Hamas)の幹部らと並び、イスラエル側についてもネタニヤフ首相とヨアブ・ガラント(Yoav Gallant)国防相の逮捕状を請求した。

 それを受けバイデン氏は 「言語道断 」と批判。アントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官も何らかの対抗措置を取る姿勢を示唆した。

 だが、対ICC制裁をめぐっては議会が支持しているのに対し、バイデン政権は否定的になっており、発動を阻止する意向を示している。ホワイトハウス(White House)のジョン・カービー(John Kirby)大統領補佐官は記者会見で、制裁が 「正しいやり方だとは思わない」と語った。

 一方、バイデン氏が5月31日、イスラエル側が提示したとして公表したパレスチナ紛争の完全停戦に向けた行程表について、ネタニヤフ氏は、行程の進め方は「条件付き」であり、イスラエルはすべての目標が達成されるまで戦闘を続けると発言。6月1日には、「イスラエルの停戦条件は変わっていない。ハマスの軍事・統治能力の破壊と人質全員の解放、そしてガザがイスラエルの脅威でなくなることだ」と、従来の立場を改めて強調した。

 行程は3段階に分かれ、第1段階では6週間でガザの人口密集区域からイスラエル軍部隊を撤退させる計画とされる。(c)AFP