【4月5日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は4日、パリ五輪の開会式でマリ出身のフランス人歌手アヤ・ナカムラ(Aya Nakamura)さん(28)がパフォーマンスをするアイデアを支持すると表明した。ナカムラさんがパリ五輪に登場する可能性をめぐっては、一部の保守派から批判の声が上がっている。

 マクロン大統領はこの日、パリ北部に完成したパリ五輪会場のアクアティクスセンター(Aquatic Centre)落成式に出席し、ナカムラさんがオンライン上で最もストリーミング回数の多いフランス語圏歌手であると補足した上で、「彼女が五輪の開会式もしくは閉会式にふさわしいのは間違いない」と報道陣に述べた。

 さらに「彼女が他のアーティストとセレモニーに参加するなら、それは良いことだと思う」とし、「五輪とセレモニーはわれわれを象徴するものであるべきだ。彼女はフランスの文化と音楽の一部だ」とも語った。

「ジャジャ(Djadja)」などのヒット曲を持つナカムラさんをめぐっては、フランスの極右政党や保守派が一斉攻撃を行っている。中でも移民排斥のリーダー的存在で「国民連合(RN)」を率いるマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)氏は、ナカムラさんを「あの服装、あの下品さ、それにフランス語で歌ってもいない」とこき下ろしている。

 マクロン大統領は開会式の演出に関し、アートディレクターを務めるトマ・ジョリ(Thomas Jolly)氏には「多様性、影響力、卓越性においてフランスを代表するアーティストを選ぶ」自由があると述べた。

 パリ五輪は7月26日から8月11日まで、パリパラリンピックは8月28日から9月8日まで開催される。(c)AFP/Francesco FONTEMAGGI