【1月30日 AFP】パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の職員がイスラム組織ハマス(Hamas)による昨年10月7日の越境攻撃に関与していた疑いがあるとのイスラエルの主張を受け、UNRWAへの資金拠出を停止する国が相次ぐ中、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)では29日、住民が嘆きの声を上げた。

 UNRWAは、イスラエル当局からの情報提供に基づいて、関与が疑われる複数の職員との契約を解除し、徹底調査を約束。一方、米、英、フランス、ドイツ、日本など10か国超は、新たな資金拠出を停止すると発表した。

 150万人が避難しているガザ地区南部ラファ(Rafah)の人々はAFPに対し、UNRWAからの支援は自分たちにとって命綱だと訴えた。

 住民の一人は、「私たちはUNRWAの支援で生きている。途絶えれば飢え死にするだろう。誰も関心を向けてくれなくなる」と話した。

 一方、オックスファム(Oxfam)、セーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)、アクションエイド(ActionAid)をはじめとする20の支援団体は、UNRWAへの資金拠出停止を非難する共同声明を発表した。

 匿名を条件に取材に応じたUNRWA関係者は、今のところはガザ地区での支援物資の支給に影響は出ていないとしながら、「状況は極めて危険だ。米国や支援国がUNRWAへの支援停止を主張し続ければ大惨事になる」と強調した。

 米政府は資金拠出の停止を発表したが、今後については検討中としている。

 米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー(John Kirby)戦略広報調整官は29日、CNNに対し、UNRWA職員の攻撃への関与疑いに関して「由々しい事態と捉えるべきではあるが、UNRWAの任務についてまで非難するべきではない」と語った。(c)AFP