【12月27日 AFP】ボクシング・世界スーパーバンタム級4団体王座統一戦が26日、東京・有明アリーナ(Ariake Arena)で行われ、WBC、WBO同級王者の井上尚弥(Naoya Inoue)が10回KOでWBA、IBF同級王者のマーロン・タパレス(Marlon Tapales、フィリピン)に勝利し、バンタム級に続いて4団体統一を達成した。

「モンスター」の異名を持つ井上は、10回に右ストレートでダウンを奪い勝負を決めた。2階級での4団体統一はテレンス・クロフォード(Terence Crawford)に続いて2人目で、わずか2戦で史上初のスーパーバンタム級統一王者となった。戦績は26戦全勝(23KO)に伸ばした。

 それでも井上は、以前と同じハングリーさを保ち、この階級での戦いは始まったばかりと話している。

 およそ1年前にバンタム級の統一王者となった井上は、「1年前、みなさんに見せてもらった景色と似たような景色」と話し、それを見せてくれたファンに感謝しつつ、「この4本のベルトをどうしていくかも考えるところだけど、どうなってもまだ熱い試合を見せていきたい」と語った。

 スーパーバンタム級初戦となったスティーブン・フルトン(Stephen Fulton、米国)戦では8回TKOで勝利した井上だが、この日はそのとき以上にタパレスに粘られた。

 4回にダウンを奪ったが、タパレスもその後はしぶといファイトで持ち直した。それでも10回に井上が強烈な右ストレートをヒットさせると、タパレスは立ち上がることができなかった。

 タパレスについて井上は「非常にタフ」と評し、ディフェンス面に驚いたと明かすと、「手応えは正直なかった。10回に崩れ落ちたときに、正直驚いた。これだけダメージが蓄積されてたんだと。タパレスの頑張りというか、苦しい表情をみせないところ、そこまで読み取ることができなかった」とコメントした。

 30歳の井上は、35歳での引退を予定しているというが、今年には37歳まで続ける可能性も示唆しており、どこでグローブを壁に掛けるかはパフォーマンス次第だと話している。

「いいパフォーマンスが出せないようであれば、別にそれは35歳前でも考えること」

「だけど今、終わりの話もどうかなと思う」 (c)AFP