【12月26日 CNS】ゲームの海外展開は、中国のゲーム産業の発展と伝統文化の交流における重要な傾向となっている。

 12月15日に発表された『2023年中国ゲーム産業レポート』によると、中国の自主開発ゲームの2023年の海外での実質の売上は163億6600万ドル(約2兆3284億円)で、規模は4年連続で1000億元(約2兆円)を超えている。アメリカと日本は中国のモバイルゲームの主要な海外市場において、それぞれ32.51パーセントと18.87パーセントのシェアを占めている。中国ゲームは今年以降、さらなる没入感やスマート感、インタラクティブ性のある表現形式によって、世界が中国文化を全方位、多角度で理解する新たな道となっている。 

 近年、伝統的な文化要素を豊富に取り入れた中国のゲームが多数海外に進出し、多くの国や地域のユーザーから愛されている。中国オーディオビジュアル・デジタル出版協会(CADPA)の調査によると、モバイルゲーム市場では、「王者栄耀(Honor of Kings)」「和平精英(ゲーム・フォー・ピース、Game For Peace)」「原神(Genshin Impact)」の3作が中国のゲームの三大代表作となっており、ゲームは伝統文化の国際交流の新たな象徴となっている。 

「王者栄耀」はリリース当初から、中国の伝統的な文化シンボルを持った作品だ。先秦時代の荊軻から、楚漢戦争の項羽、三国時代の諸葛亮、貂蝉、そして盛唐の象徴である李白、武則天に至るまで、ゲームの最初のキャラクターヒーローの多くが中国の古代の歴史や神話伝説の人物にちなんでいる。 

 中国オーディオビジュアル・デジタル出版協会ゲーム工作委員会が以前行った文化調査レポートによると、中国ゲーム会社の84パーセントがゲームキャラクターの設定に中国伝統の人物を参考にし、98パーセントの企業がゲームの環境とアイテムの設計に中国伝統文化の要素を採用している。企業による伝統文化の内容選択の範囲はより広範なものになり、最初は主に「西遊記」「三国志演義」などの古典名作を参考にしていたものが、次第に民間の話、神話伝説、詩歌など様々な文化形式に広がり、ゲーム作品における中国伝統文化の取り込みを大いに豊かなものにしている。

 米モバイルアプリ調査会社「センサー・タワー(Sensor Tower)」は、2023年11月における中国のモバイルゲーム作品の海外市場データを発表した。「原神」の海外での売上高は前期比41パーセント増となり、中国海外モバイルゲーム収入ランキングと成長ランキングのトップに返り咲いた。その中で、同ゲームの最大の海外市場である日本での売上高は74パーセント増となった。 

 中国のゲーム産業は積極的かつ自覚的に「海外進出」を進め、優れた中国伝統文化と世界とのつながりを広げている。中国は世界最大のゲーム市場であり、長い伝統文化を持っている。騰訊(テンセント、Tencent)、上海米哈遊網絡科技(miHoYo)、網易(NetEase)をはじめとする中国ゲーム会社はゲームという全世界の若者からなる有望市場を掴み、中国ゲームは美しい文化紹介のシンボルとなっている。 (c)CNS/JCM/AFPBB News