【5月30日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2024)は29日、女子シングルス2回戦が行われ、元世界ランキング1位の大坂なおみ(Naomi Osaka)は現1位で大会第1シードのイガ・シフィオンテク(Iga Swiatek、ポーランド)に6-7(1-7)、6-1、5-7で敗れた。最終セットにマッチポイントも1本あったところから劇的な逆転負けを喫し、試合後には涙を流したと明かしたが、「もっとひどい気分を経験したことはある」と話した。

 新旧世界1位の激突は、互いに1ブレークずつして迎えたタイブレークをシフィオンテクがあっさりとものにし、第1セットを先取したが、第2セットは大坂が圧巻の立て直しを披露し、第1ゲームでいきなりブレークに成功。そのまま一気に4-0とリードすると、自身のサービスゲームでは1ポイントしか落とさずにセットを奪い返し、試合を振り出しに戻した。

 迎えた最終セットは、大坂が3本のブレークピンチをしのいで第1ゲームをキープすると、続くゲームでブレーク。直後のサービスゲームで再び5本のブレークポイントをしのぐなどし、そのまま5-3でマッチポイントを手にしたが、ここでシフィオンテクにブレークバックを許すと、再び5-5のサービスゲームを落とし、3時間近い熱戦の末に敗れた。

 大坂は試合後、「今までで一番楽しい試合だったかもしれない。信じられないような雰囲気で、非常に記憶に残るものだった」と振り返り、敗れはしたが「もっとひどい気分を経験したことはある。それは間違いない」と話した。

 現在は世界ランク134位で、昨年7月の出産後これがまだ2度目の四大大会(グランドスラム)出場だった大坂。「コートを出る時には泣いてしまったが、去年の今頃は妊娠中で、イガが全仏オープンで優勝するのを(テレビで)見ていたんだと思った。彼女と対戦できるなんて私にとっては夢のような話で、そういうふうに考えると、自分に厳しくしすぎないようにしようと思った」と語り、54本ものウイナーを記録した熱戦から前向きな部分だけを持ち帰りたいとした。

 全仏オープンでは過去一度も3回戦を突破できておらず、「自分はハードコートが得意な選手。次は彼女とハードコートで対戦してみたい」としつつ、「結果は出ていないけれど」としながらも「このところは特定のことに取り組み、プレーが良くなってきている感触がある」と語った。

 その他では、第3シードのココ・ガウフ(Coco Gauff、米国)が予選勝者のタマラ・ジダンセク(Tamara Zidansek、スロベニア)に6-3、6-4でストレート勝ち。第8シードのオンス・ジャバー(Ons Jabeur、チュニジア)はカミラ・オソリオ(Camila Osorio、コロンビア)をフルセットで下した。(c)AFP