【12月9日 AFP】英国の国会議員らがイングランドサッカー協会(FA)に対し、女子サッカーの「保護」を目的として、トランスジェンダー選手の競技参加に関する規則を変更するよう求めた。

【写真】トランスジェンダーのサッカー審判、公表後初の笛 イスラエル

 イングランドでは、女子の地域リーグの試合でトランスジェンダーのフランチェスカ・ニーダム(Francesca Needham)選手が相手選手にシーズン絶望のけがをさせたとして、複数のクラブがニーダム選手の所属するロッシントン(Rossington Main F.C.Ladies)との対戦を取りやめる出来事があった。

 それを受け、70人以上の下院議員と上院議員が、FAのマーク・ブリンガム(Mark Bullingham)最高経営責任者(CEO)への書簡で協会の方針転換を求め、「成人男性と女性の対戦を容認することは考えられない。ロッシントンの件で明白なように、これは公平性の原則を損なうだけでなく、女子や少女たちの安全を脅かすものだ」と主張した。

 FAの方針では、トランスジェンダーの選手は「自認する性別」のリーグへの参加を申請することが可能となっている。

 トランスジェンダー選手の競技参加は、さまざまなスポーツが公平な競争の確保と包摂性のバランスを取ろうとする中で、大きな話題となっている。思春期を男性として過ごしたトランスジェンダー女性は、自転車や陸上の統括団体から女子競技への参加を禁止されている。

 議員グループはFAがこの問題を「見て見ぬふり」をしていると非難。「FAには、あらゆる競技レベルにおいて明確な男女別の方針を定める責任がある」とし、「出生時に男性の選手が女子チームでプレーすることを早急に禁止し、女子と少女たちを保護することを求める」と述べた。

 FAは先月、ロッシントンの件に関し、地域の協会と協力して解決策を模索していると発表していた。

 一方、ニーダム選手は先月、当面の間競技から退き、差別への訴訟を検討していることを明らかにした。(c)AFP