【11月17日 AFP】ロシア軍がウクライナ東部戦線の最前線の町ドネツク(Donetsk)州アウディーウカ(Avdiivka)への攻勢を強めている。ビタリー・バラバシ(Vitaliy Barabash)町長が16日、明らかにした。

 アウディーウカは、ロシア側が実効支配する州都ドネツク市に程近く、1か月以上にわたって猛攻にさらされている。

 バラバシ町長は国営テレビで「大激戦だ。実際、敵はここ数日間で(軍事行動を)活発化させている」と語った。

 ロシア軍は装甲車を使用し、工業地域や陣地、高層ビルを「24時間」攻撃しているという。

 アウディーウカは2014年から砲火にさらされ、ほとんど焦土と化しているが、ウクライナ抵抗の象徴となっている。戦前の人口は約3万人だったが、今や1431人しか残っていないという。

 西側当局者は同日、ロシアはアウディーウカ奪取作戦で装甲車200台以上を失ったとAFPに語った。戦力の穴埋めには「数年」かかるという。

 同当局者は、アウディーウカ周辺の軍事拠点は「比較的落ち着いていた」として、ウクライナ側の戦死者数は、ロシア側よりも大幅に少ない」との見方を示した。

 英国防相は同日の戦況報告で、「(ロシア側が)挟撃作戦を実施し、アウディーウカを包囲しようとしているのはほぼ間違いない」と述べた。

 ロシアはアウディーウカにつながる主要道路付近の「戦術要地」にある大きなコークス工場にいる可能性が高いという。(c)AFP