シャルル・ドゴール元仏大統領の孫、ロシア市民権取得を希望
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【11月17日 AFP】フランスの第2次世界大戦(World War II)の英雄、シャルル・ドゴール(Charles de Gaulle)元大統領の孫のピエール・ドゴール(Pierre de Gaulle)氏が16日、「大きな可能性」を秘めているとして、ロシア市民権を取得したいと語った。
ピエール氏はフランスではほとんど知られていないが、ロシアの国営メディアは西側の有力者が同国のウクライナ侵攻を支持している証拠として、ピエール氏のロシア政府寄りの発言を大きく報じている。
ロシアメディアによると、ピエール氏はサンクトペテルブルク(St. Petersburg)で開かれた文化行事で、「ロシア市民権を取得できれば光栄だ」と報道陣に語った。
また、ロシアはウクライナで「伝統的価値観、家族、崇高な精神のために戦っている」「北大西洋条約機構(NATO)は負けた」とも語った。
フランスで最も有名な政治家一族、ドゴール家の御曹司であるピエール氏が、トラブルを起こすのはこれが初めてではない。
ピエール氏の長兄、イブ・ドゴール(Yves de Gaulle)氏は今年1月、仏紙パリジャンに対し、弟の見解は「本人以外の誰とも関係ない。私とも家族とも、ましてや将軍(祖父のシャルル・ドゴール元大統領)とも関係ない」と述べた。
シャルル・ドゴール元大統領は第2次大戦でフランスを占領したナチス・ドイツ(Nazi)に対するレジスタンス運動を英ロンドンから指揮した後、凱旋。東西冷戦(Cold War)時には大統領として、フランスを米主導の西側陣営と旧ソ連の取り持ち役として位置づけた。ピエール氏はこの立場を標ぼうしている。
だが歴史家たちは、シャルル・ドゴール元大統領がフランスを西側に置き続けたとの見解で一致している。またシャルル・ドゴール元大統領の見解は、特に現代の出来事に当てはめた場合に国内で議論の種となっている。(c)AFP