ユダヤ教ラビ、パレスチナ人保護に奮闘 ヨルダン川西岸で入植者の攻撃激化
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■恐怖が倍増
イスラエルの人権団体「ベツェレム(B'Tselem)」は、ハマスとイスラエル軍の衝突以降、暴力的な入植者がパレスチナ人コミュニティーを襲撃する事件が増加しているとし、「入植者は軍服を着用し、政府が支給する武器を使用している」と報告している。
国連(UN)も、入植者による事件の半数近くで「イスラエル軍が同行するか、積極的に襲撃を支援していた」と発表した。
軍側は、「非番の兵士が関わっている」疑いがあるとし、調査に乗り出したと主張している。
近隣のデュラカリア(Dura al-Karia)村で、家族でオリーブ栽培をするパレスチナ人のサミール・アベダルカリームさん(63)は、「10月7日以降、入植者への恐怖が倍増した」と話す。
「入植者とイスラエル軍から発砲されるため、自分たちの土地に近づくこともできなくなった」
西岸の黄土色の土地に広がるオリーブ畑は、パレスチナの農業従事者と、入植活動を進めるイスラエル人との間で、過去数十年にわたり衝突の舞台となってきた。
パレスチナ人にとって、厳しい環境でも数百年生きられるオリーブの木は、この場所に定住した自分たちの象徴だ。現在、西岸には推定1000万本のオリーブの木が植わっている。
アベダルカリームさんの妻は、「これまで、オリーブの収穫時期は祭りのようだったが、今は違う」と言う。自分たちの生活はオリーブなしには始まらないとして、「オリーブは私たちにとって、とても大切な物。オリーブがないと生きてはいけない」と話した。