カタール投資家、マンU買収から撤退
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【10月15日 AFP】サッカーイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)買収をめぐって、カタールの銀行家シェイク・ジャシム・ビン・ハマド・アル・サーニ(Sheikh Jassim Bin Hamad Al Thani)氏が入札を取り下げたと、取引に近い筋が14日に明かした。
ユナイテッドは1年近く前に「クラブの成長を強化するための戦略的な選択肢」を探っていると明かし、クラブの完全な売却も考えていると発表。シェイク・ジャシム氏と英実業家のジム・ラトクリフ(Jim Ratcliffe)氏が買収レースをリードしていたが、ここ数か月は話が停滞していた。
シェイク・ジャシム氏はクラブの負債を完済することを約束し、完全買収を求めていたが、提示額を50億ポンド(約9060億円)に引き上げたとみられる中で、今週行われた交渉は決裂した。また、プレミアリーグへのカタールの影響力が高まることへの懸念も出ていた。
対してラトクリフ氏は、15億ポンド(約2720億円)前後で25パーセントの株式取得を目指すという。
現オーナーのグレーザー(Glazer)家による買収後、ユナイテッドは徐々に成績が下降し、今季はプレミアリーグで現在10位。欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2023-24)ではクラブ史上初めてグループリーグ開幕2連敗を喫した。
ファンはここ20年でインフラへの投資が不足していることにも不満を高めている。本拠地オールド・トラフォード(Old Trafford)は依然としてイングランド最大のサッカースタジアムだが、ライバルクラブの施設に後れを取らないためには、大規模改修が必要な状況となっている。
シェイク・ジャシム氏は、新スタジアムとトレーニングセンターの計画にも17億ドル(約2540億円)を投資することを約束していた。(c)AFP/Kieran CANNING