【10月6日 CGTN Japanese】今年、中国では9月29日の中秋節と10月1日の国慶節の祝日が連続し、8日間の大型連休となりました。業界関係者は、今年の中秋節・国慶節の大型連休はここ5年間で旅行熱が最も盛り上がる連休になるだろうと予測しています。

 人気観光地のチケットは入手困難で、高速道路のサービスエリアで早朝から混み合い、多くの観光地には大勢の観光客が押しかけるなど、各地は活気にあふれています。

 今年の新しいトレンドのひとつが「ニッチな旅行」です。旅行先を見ると、混雑のピークを避け、より快適性の高いニッチな目的地で連休を過ごす消費者が増えています。

 中国の大手オンライン旅行サイト「携程(シートリップ)」のデータによると、今年の観光の穴場目的地となっているのが、中国国内の比較的発達した中小都市です。連休期間中、山東省の淄博や吉林省の延辺、広西チワン族自治区の防城港、甘粛省の酒泉、河南省の南陽、四川省の広元、河北省の承徳、黒龍江省の伊春、孔子のふるさととして有名な山東省の曲阜、内蒙古のウランチャブなどの中小都市の観光ツアー予約件数は、前年同期比でいずれも10倍以上となっています。

「寝そべり式旅行」を楽しむ消費者も増えています。日本のいわゆる「弾丸旅行」は、中国では軍の特殊部隊の厳しい訓練になぞらえて「特殊兵式旅行」と呼ばれています。今回の大型連休では、このように短期間に低予算で多くの観光地を回る旅行よりも、現地住民の暮らしや文化的特色を深く体験できる旅行を好む消費者が増えています。

「寧波(浙江省)に行って海鮮を、北西部の寧夏に行ってラム肉を、蘇州(江蘇省)に行って上海ガニを食べよう」といった「グルメ旅」も人気です。中国のネット出前サービス最大手の美団(メイトゥアン)の関係者によると、9月20日までに、中秋節・国慶節大型連休中の全国の飲食店のイートイン受注件数は2019年同期比ですでに2倍以上になったということです。

 また、ホテルでゴロゴロする寝そべり旅行も、多くの消費者の選択肢になっています。中国の民宿チェーン店「栖牛」民宿運営部の責任者である尹華玲氏は、「顧客の『ワンストップ型』宿泊のニーズを満たすため、一部の民宿は庭でのバーベキューやホームシアター、キャンプなど、多くのサービスを提供している」と紹介しています。

 業界関係者は、「『寝そべり式旅行』や『ニッチな旅行』が新たなトレンドになったのは、コスト重視や旅行の意義に対する認識の変化によるものだ。人々はより気楽で自由な旅行で、心身ともにリラックスすることを求めている」と分析しています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News