【5月10日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)北部での人道支援物資の空中投下でパラシュートが開かず2人が死亡したのを受け、イスラム組織ハマス(Hamas)は9日、空中投下の中止を求めた。

 飢餓が迫っているとされるガザ北部では、米英仏など複数の国が支援物資を定期的に投下している。

 だが7日の空中投下では、パラシュートが開かず、支援物資を受け取ろうと住民が集まっていた倉庫の屋根に落下。2人が死亡した。

 ハマス当局によると、同様の事故でこれまでに少なくとも21人が死亡している。

 ハマスの広報責任者は声明で、「空中投下は市民の命を差し迫った危険にさらし、ガザ北部での食糧危機を緩和する真の解決策とはならないことを強調したい」「この非効率的で間違った支援物資の届け方の即刻中止し、全ての検問所を解放してガザ北部に支援物資を陸路で届けることを求める」と訴えた。

 北部にわずかな食糧しか届かず、国連が「飢餓が差し迫っている」と警告する中、各国政府は空中投下を実施している。

 人道支援機関によると、イスラエルがガザとエジプトの境界にあるラファ(Rafah)検問所を制圧・閉鎖した後、状況はいっそう悪化している。

 ガザとイスラエルの境界にあるケレムシャローム (Kerem Shalom)検問所でも、5日以降3度にわたりロケット弾を撃ち込まれたため、物資の輸送が滞っている。(c)AFP