中国7大車メーカー、2023年上半期は収益増 長城や東風など純利益減
このニュースをシェア
【10月2日 CNS】中国ではこのたび、多くの上場自動車メーカーが2023年上半期の財務報告を発表した。その中で、上海汽車集団(SAIC)、比亜迪(BYD)、吉利汽車(Geely Automobile)、長城汽車(Great Wall Motor)、長安汽車(Changan Automobile)、広州汽車集団(Guangzhou Automobile Group)、東風汽車(Dongfeng Motor)の七つの主要かつ伝統的な上場乗用車メーカーの親会社所有者に帰属する当期純利益総額は328億6000万元(約6720億円)に達した。
その中で、比亜迪の純利益は大幅に増加した。半年報によると、今年の上半期の比亜迪の売上高は2601億2400万元(約5兆3197億円)で、前年同期比72.72パーセント増、上場会社の株主に帰属する当期純利益は109億5400万元(約2240億円)で、前年同期比204.68パーセントとなった。
比亜迪が100億元(約2045億円)以上を稼いだ背景には、新エネルギー自動車の販売台数が増え続けていることがある。
純利益の成長率が顕著になっているのは長安汽車も同様だ。半年報によると、今年の上半期の長安汽車の売上高は654億9200万元(約1兆3394億円)で、前年同期比15.76パーセント増、上場会社の株主に帰属する当期純利益は76億5300万元(約1565億円)で、前年同期比30.65パーセント増となった。
上述の企業と対照的な結果となったのは、長城、東風汽車、広州汽車の3社だ。これらの企業はいずれも「売上高が増えても利益が増えない」という状況に陥っている。
長城の純利益は7割以上縮小した。半年報によると、今年の上半期における長城の売上高は699億7100万元(約1兆4309億円)で、前年同期比12.61パーセント増となったが、上場会社の株主に帰属する当期純利益は13億6100万元(約278億円)で、前年同期比75.69パーセント減と大幅な落ち込みとなった。
長城の半年報によると、純利益減少の主な理由は、同社が新エネルギーとインテリジェント化へのモデル転換を深化させ、製品構造を調整し、2023年の新製品の発売に基づいてブランドとチャネルの構築投資を増やし、同時に新エネルギーとインテリジェント化分野の研究開発投資を続けたためだという。さらに、為替収益も減少した。
純利益が7割以上縮小したのは東風汽車も同様だ。半年報によると、報告期間中、東風汽車の売上高は456億7700万元(約9341億円)で、前年同期比2.89パーセント増となったが、純利益は12億7000万元(約259億円)で、前年同期比76.91パーセント減となった。
長城と東風汽車と比較し、広州汽車は2023年上半期に売上高成長と販売台数の増加を達成したが、純利益はほぼ半減した。半年報によると、今年の上半期、広州汽車の売上高は615億8800万元(約1兆2595億円)で、前年同期比27.12パーセント増となったが、上場株主に帰属する当期純利益は29億6600万元(約607億円)で、前年同期比48.42パーセント減となった。
平安証券の研究レポートによると、現在、自動車業界は大きな変革の中にあり、市場競争の激しさが短期間でおさまる可能性は低く、自動車メーカーの利益には負の影響が出る可能性がある。
「ガソリン車は利益をあげられるが、急速に縮小してしまう。新エネルギー車は高成長を遂げられるが、損失も大きい」と、全国乗用車市場情報聯席会(CPCA)事務局長の崔東樹(Cui Dongshu)氏は述べている。崔氏は、自動車業界の矛盾するプレッシャーは大きく、利益を得るのは難しいとみている。(c)CNS/JCM/AFPBB News