【9月27日 AFP】インドで、92歳の女性が生まれて初めて学校に通い読み書きを習得したと、現地で話題になっている。

 サリマ・カーン(Salima Khan)さんは1931年ごろに生まれ、英国からインドが独立する2年前に14歳で結婚した。

 出身地の北部ウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州ブランドシャール(Bulandshahr)の村には当時学校がなく、読み書きの習得はカーンさんにとって生涯の夢となった。

 そんなカーンさんが、自分より80歳も若い児童らと肩を並べて勉強を始めたのは約半年前。孫の妻に付き添ってもらいながら通学している。

 カーンさんが1から100まで数える動画がソーシャルメディアで拡散すると、現地で一躍話題となった。

「私はお札を数えることができなかったので、孫たちはよくごまかして小遣いを多くもらおうとしていました」とカーンさんは主要紙タイムズ・オブ・インディアに語った。「そんな日々はもう終わったのです」

 地元の教育行政担当官ラクシュミ・パンディ(Lakshmi Pandey)氏は、カーンさんの話を聞き、「知識の追求に年齢制限はないという信念が一層強まった」とAFPに語った。パンディ氏によると、政府の教育プログラムのボランティアが、カーンさんに学校へ行くよう勧めたという。

 カーンさんの通学先の校長によると、教師は当初、カーンさんに教えることを「ためらった」ものの、学ぼうとする「情熱」に心を動かされた。さらに、カーンさんが通学を始めて以来、同じ村の他の女性たちも刺激を受け、25人が識字教室に通い始めた。カーンさんの義理の娘2人も出席しているという。

 ギネス世界記録(Guinness World Records)では、ケニア独立戦争の元闘士、故キマニ・マルゲ(Kimani Ng'ang'a Maruge)さんが最高齢で小学校を卒業した人物として掲載されている。マルゲさんは2004年、84歳で入学した。(c)AFP