イタリアサッカー界の人種差別問題 国連が警告促す
発信地:ジュネーブ/スイス
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【9月1日 AFP】国連(UN)の人種差別撤廃委員会は31日、イタリアサッカー界に対し、人種差別の問題があるとして警告を促した。
委員会は最新の調査結果として、クロアチア、ナミビア、セネガル、トルクメニスタン、ウルグアイ、そしてイタリアの6か国について、経済的または社会的問題で懸念を表明。特にイタリアに対しては、サッカー界における問題を指摘している。
伊セリエAではアフリカ系や東欧出身の選手への人種差別が続いており、今年4月には当時インテル(Inter Milan)に所属していたFWロメルー・ルカク(Romelu Lukaku)が標的にされた騒動が国際的な注目を集めた。
ベルギー出身のルカクは、ユベントス(Juventus)とのイタリア杯(Italian Cup 2022-23)準決勝第1戦で同点ゴールを決めた際、自身に人種差別的な言葉を浴びせていた相手ファンに向けて唇に指を当てるセレブレーションを行い、2枚目のイエローカードを提示された。
これでルカクは1試合の出場停止処分となったが、猛反発の声が上がったことで、イタリアサッカー連盟(FIGC)は処分を撤回した。
委員会は文書の中で、イタリアに関する限り「政治家や政府高官が少数民族の特にロマ人、シンティ人、カミナンティ人、アフリカ人およびアフリカ系の人々に対し、ヘイトスピーチや人種差別的な政治論を用いていることに警鐘を鳴らす」とし、「当委員会はまた、アフリカ系アスリートへの身体的および言葉による攻撃など、スポーツイベントにおける人種差別的な行為に警告を促した」と記した。(c)AFP