【6月16日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)は15日、反人種差別の作業部会を立ち上げる意向を明らかにした。この活動では、ブラジル代表のFWビニシウス・ジュニオール(Vinicius Junior)が「重要な役割」を担うという。

 スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)でプレーするビニシウスは、リーグ戦において何度も人種差別被害に遭っており、5月のバレンシア(Valencia CF)戦で相手ファンから差別を受けた件は、世界中で怒りを呼んだ。

 FIFAはジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長の話として、「作業部会を立ち上げ、当連盟と協力して特定の提言を行う。それにはビニシウス・ジュニオールが重要な役割を担う」と発表した。

 一方、スペイン・バルセロナ(Barcelona)で合宿を行っているブラジル代表チームを訪れたインファンティーノ会長は、「人種差別や差別について話すだけでなく、決然とした断固たる態度、すなわち一切容認しない姿勢で行動を起こすことが非常に重要だ」と述べた。

 また、17日に行われるブラジル対ギニアの国際親善試合を前に、ブラジルサッカー連盟(CBF)のエジナウド・ロドリゲス(Ednaldo Rodrigues)会長とも面会。ピッチ上で選手たちが暴言を浴びるようなことがあれば試合を止めるべきだとし、「人種差別があるところにサッカーは存在しない。従って、そのときは試合は中断だ」と説明した。

 ビニシウスへの暴言が確認されたサポーターは前週、スペイン当局からスタジアムへの出入り禁止と罰金処分を言い渡された。(c)AFP