【8月23日 Xinhua News】(更新)中国甘粛省(Gansu)蘭州市(Lanzhou)で19日、学術誌「敦煌研究」の創刊40周年を記念する座談会が開かれた。中国の敦煌学はこの40年、同誌をはじめとする多くの学術組織の努力により大きく発展した。

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「敦煌研究」の創刊は1983年。当時は改革開放の下で学術界も活気に満ちており、それまで広く言われていた「敦煌は中国にあるが、敦煌学は国外にある」という言葉が中国の敦煌学研究者を奮起させた。

 同誌の初代編集長を務めた段文傑(Duan Wenjie)氏(1917~2011年)は創刊時、「『敦煌研究』は敦煌研究と関連問題探求の学術活動の場となり、百家争鳴の方針の下で敦煌研究の繁栄と発展を促す」と語ったという。

 敦煌文物研究所が敦煌研究院に格上げされた際の初代院長も務めた段氏は、当時語られていた「敦煌学は国外にある」という評価について「まずは莫高窟(ばっこうくつ)を守る者が成果を上げる。心を落ち着かせ、一心不乱に打ち込み、最終的に成果に語らせる必要がある」と述べたという。段氏は莫高窟壁画の「都督夫人礼仏図」を模写するため、100種類以上の資料に当たり、2千枚以上のカードに記録し、敦煌服飾研究の重要な学術成果を成し遂げた。

 1980年代には段氏をはじめとする多くの学者が敦煌研究に身を投じた。82年に「敦煌研究文集」が刊行され、83年には中国敦煌トルファン学会が設立。全国敦煌学術討論会も開かれた。84年には「敦煌学集刊」「中国敦煌トルファン学会研究通信」が創刊され、敦煌学はその後も発展を続けた。

「敦煌研究」執行編集長を務める敦煌研究院の趙声良(Zhao Shengliang)共産党委員会書記によると、同誌は40年間で定例発行200号、特別号11号を刊行し、発表論文は4千本余りに上った。論文は敦煌学を構成する各学術分野をカバーするだけでなく、中外文化交流史や民族学、シルクロードなどの研究分野にも広がり、敦煌学の発展に重要な参考資料と理論的支柱をもたらした。同誌は外国人学者の最新成果も継続的に掲載しており、国際学術交流を強力に推進し、「一帯一路」沿線国との文化交流を促進してきた。(c)Xinhua News/AFPBB News