■ワクチン接種推奨アプリも

 ワクチンをめぐる偽情報は、他の種類の偽情報と重なる部分が多い。反ワクチン主義者は「Qアノン(QAnon)」の陰謀論やLGBT(性的少数者)を差別するような主張を広めようとする層とつながりやすい。

 カウルフィールド氏によると、反ワクチン主義者もしくは未接種の人がいた場合、その他のさまざまな問題に対するその人の姿勢をほぼ正確に推測できるということが複数の研究から分かっている。

 新型コロナが流行していた2021年、ティンダー(Tinder)やヒンジ(Hinge)、オーケー・キューピッド(OkCupid)などのマッチングサイトはワクチン接種率向上のため、プロフィルにワクチン接種済みを示すバッジを表示できるようにアップデートした。

 OKキューピッドはブログで、ワクチン接種済みの人や接種予定の人のマッチング率が急増し、「ワクチンがデート相手を見つけるのに一役買っている」と書いていた。

 一方、体液を通じてワクチンが「移り」不妊になるといった偽情報によって、ワクチン未接種の相手を探すよう推奨するマッチングアプリの人気も高まった。

 新型コロナワクチンの有害な影響を取り除くことができるとうたう解毒サプリを約65ドル(約9000円)で販売するフロリダ州を拠点とするウェルネス・カンパニー(Wellness Company)は、ワクチン未接種者向けのマッチングサイト「アンジェクテッド(Unjected)」を運営している。

 専門家や保健当局はAFPのファクトチェック・チームに対し、同社の解毒サプリの効果を示す証拠はないと指摘した。

 米メディアは2021年、新型コロナに関する偽情報を理由に、アンジェクテッドがアップル(Apple)のアップストア(App Store)から削除されたと報じた。

 こうしたマッチングアプリは、グーグルプレイ・ストア(Google Play Store)でも提供されている。

 その一つ「アンジャブド(Unjabbed)」には、ダウンロード後ウイルスに感染した、通話が盗聴されそうになったといったユーザーレビューが投稿されている。(c)AFP/Anuj Chopra and Marisha Goldhamer