【7月27日 AFP】フェンシング世界選手権(FIE World Fencing Championships 2023)に臨むウクライナのイーゴリ・レイズリン(Igor Reizlin)は26日、ロシア選手との対戦を禁止するという母国政府の政策に従ってワジム・アノヒン(Vadim Anokhin)との試合を棄権したため、エペでのタイトル獲得の望みを打ち砕かれた。

 国際フェンシング連盟(FIE)の関係者はAFPに対し、東京五輪で銅メダルを獲得したレイズリンが、棄権を正当なものとする診断書を提出したと明かしている。この診断書によって、来年のパリ五輪に向けて獲得した出場資格ポイントが守られることが、レイズリンにとってはささやかな慰めとなった。

 レイズリンと同じく、ウクライナ出身で、世界選手権の女子サーブルで4連覇を果たしているオリガ・ハルラン(Olga Kharlan)も、アンナ・スミルノワ(Anna Smirnova)との対戦が決まり、同様の問題に直面している。

 昨年のロシアによるウクライナ侵攻を受け、アノヒンを含むロシアの選手とベラルーシの選手は、中立の立場での出場を余儀なくされており、両国の選手は団体戦の出場が許可されていない。

 今年初めに両国選手の競技への復帰が許可されて以来、ウクライナ政府は厳しい姿勢をとっている。(c)AFP